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受験生へのメッセージ

「哲学」そのものが受験科目になっていませんから、「哲学」になじみのない人もいるかもしれません。
どのような時代であっても、わたしたちの社会は、さまざまな問題を抱えています。でも、その根本は、いったい、どこにあるのでしょうか。容易には解決も回避もできない課題は、「人間とはなにか」とか「世界の本質はどこにあるのか」とかといった、いちばん基本的な問いにつながっています。
「哲学」は、社会の具体的な問題を手がかりに、先人たちの知恵に耳を傾けて、人間と世界とについての問いを深めていく学問です。そこには、正解はありません。その意味で、哲学の探究は、人間や世界の実相にすこしでも近づこうとする「旅」になぞらえられます。そのような「旅」で培わなければならないのは、人間と世界とをしっかりと見すえられる「眼」であろうと思います。その「眼」を求めつづける態度こそ、新島襄がわたしたちに言い遺した「精神活力あり誠の自由を愛し以て邦家に尽す可き人物」にみなさんを育てあげていくはずです。
このように言うと、「受験勉強」が小さいことのように思えてくるかもしれません。たしかにそうかもしれません。でも、強要され強制されていやいや勉強しているかぎり、「受験勉強」からでも学問の本質は見えません。しかし、学ぶことのおもしろさに気づけば、「受験勉強」という覆いが隠してしまっている学問的探究の意味が露わになってきます。苦しい受験の時期であるからこそ、分かる楽しさを味わえるようになっておいてください。