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概要・特色

〈哲学〉は、特殊な研究領域をもちません。人間と人間を取り巻く世界の出来事すべてが、〈哲学〉〈倫理学〉の研究対象になるでしょう。ですから、取っ掛かりの問題は、何であってもかまいません。
みなさんが関心を抱いている問題は、現代の科学技術の提起しているさまざまな問題(臓器移植や生殖技術の発展、環境問題)であるかもしれませんし、現代の若者と宗教の問題であるかもしれません。その他、芸術や歴史、国家や民族にかかわる問題であるかもしれません。
だが、いずれにせよそういった諸問題は、テレビや週刊誌で得た知識を寄せ集めてみても、満足のいく解答は得られないでしょう。

こうした問題は、結局「そもそも人間とは何なのか」、「人間の社会や世界の本質はどこにあるのか」、「人間の行為の善悪は何できまるのか」、「人が善く生きるとは、どういうことなのか」といったもっとも根本的な問いに行きつくのではないでしょうか。

具体的な問題を手がかりにしながら、そうした人間と世界についての根本的な問題を探求していくのが、〈哲学〉であり、〈倫理学〉です。
ですから、〈哲学〉や〈倫理学〉を学ぶということは、すべての事柄の深い本質を探求する〈旅〉に出るということであるとともに、同時に〈自己探求の旅〉に出ることでもあります。 

現代は、〈羅針盤なき時代〉、〈不確実性の時代〉だと言われています。あるいは、若者が〈自己〉を喪失している時代だとも言われています。そのような時代の只中にあって、将来どのような職業に就こうとも、求められているのは、自己と世界について透徹した眼で、一度徹底的に思索し抜いた人間、そういう経験をもった人間だろうと思います。
なぜなら、そうした思索の深さだけが、時代と自分を見つめる確かな眼を養い、状況を的確に判断する力を養うからです。

わたしたちの学科は、主として西洋の哲学や倫理学の歴史や、そこで取り挙げられた哲学的諸問題を学ぶことを通して、なによりもわたしたち自身とわたしたちを取り巻く世界の意味を深く、徹底的に考え抜く力を備えた人間の育成を目指しています。