同志社大学 文学部/文学研究科

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学部長からのメッセージ

菊田 千春
 同志社大学文学部は、1875年に創設された同志社英学校に起源をもつ、本学の中でも最も伝統ある学部の1つです。その135年を超える長い歴史の中で、同志社大学文学部は常に質の高い研究と教育を実践し、今日、日本有数の文学部として評価されています。
 同志社英学校が決して「英語」のみを学ぶ学校ではなかったように、文学部も「文学」のみを学ぶ学部ではありません。その本質は人文科学、すなわち人間存在の探求です。本学の文学部は英文学科、哲学科、美学芸術学科、文化史学科、国文学科の5つの学科から構成され、人間の認知、思考やその産物を様々な角度から探求し、人間とは何かという問いに鋭く迫ろうとしています。これらは伝統的な学問領域に見えるかもしれませんが、その具体的課題は時代の視点を反映し、また、研究手法は進化し続けています。文学部の教員はそれぞれ先進的な人文学の研究を進め、学界を先導しています。
 また、文学部は教育においても様々な取り組みをおこなっています。例えば副専攻制度により、他学科の学問を学んだり、学部横断型副専攻制度を使って学際的な学びを経験することもできます。また、国際インスティテュート(ILA)副専攻や、文理融合型のサイエンスコミュニケーター副専攻など、文学部の枠を越えた挑戦をすることもできます。このように、文学部では皆さんの視野を広げ、豊かな知的経験をする機会を設けています。
 21世紀を生きる皆さんが文学部で学ぶ意義とは何でしょうか。文学部の特徴の一つは、その研究対象の多くが、損得や勝ち負け、効率性といった一次元的な尺度では測れない価値を有することでしょう。そしてそれは人間存在の価値の有り様とも関係しています。皆さんの多くはデジタルネイティブと呼ばれる世代であり、常にAIが身近な存在です。高度な情報処理能力を備えたAIは人間を助けるばかりでなく、それに取って代わるのではとさえ言われます。AIの価値は効率性で測られますが、人間や人間の社会も同じ価値観で測ることができるでしょうか。また、無意識のうちに測ろうとしてはいないでしょうか。今日、世界中で科学進歩や経済至上主義、グローバル化がもたらす矛盾が顕在化してきました。効率のみを重視したこれまでの社会の在り方が問い直される今だからこそ、多様な価値観を知り、人間存在の本質を冷静に見つめる人文学の重要性はますます高まっていると言えるでしょう。皆さんには、文学部のそれぞれの学びの中で、物事を多角的に分析し、深く考える力を身につけ、新しい時代を切り拓く人になってほしいと願っています。

文学部長 菊田 千春