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Web学生記者日記

2010年度

11/03/03 春休み、受験生、新入生へのメッセージ

この日誌を書いてるのは2月28日。2月の最終日ということで大体の大学生は春休みの中盤を迎えている時期です。受験生の皆さんは私立は終わり、国公立の前期試験を終え、一安心という時期だと思います。そして、もうすでに同志社大学に入学を決めている人も多くいると思います。今回はそういう人たちにメッセージを送りたいと思います。

同志社大学では学部、学科まで決めて入学します。転学部、転学科を除いて原則、学部学科の移動はできません。大学生になる人の中には、残念ながら希望の大学の学部学科へ入れず、不本意ながらも違う学部学科生として通いたい大学に入学する人がいます。また、希望の学部学科へは入れたが、実際に授業や講義を受けてみて、「何か違う」、と違和感を感じ、勉学意識が薄れていく人もいます。この一年間で、実際にそういう人たちを何人か目にしてきました。もちろん、理想と現実のギャップという言葉で簡単に片付けることができますが、なんとか上手く解決できる方法はないでしょうか。

これらの現象が起きる原因は、「情報不足」ということが一番に挙げられるのではないでしょうか。もちろん、その情報範囲の広さ、お手軽さは讃えるべきことですが、進路指導の際に多く用いられるパンフレットの類の情報冊子。多くの職業やそれらに必要な(大学の学部などの)資格を手軽に調べることができる、便利な冊子ですが、その中の適正チェックなどの情報だけで自分の将来の学部学科や職業を決めてしまうことはかなり危険です。というのもそこから得られる情報は具体的な決断に踏み込むにはかなり抽象的で、曖昧なところが多いからです。そこから一歩進んでから決断して欲しいと思います。

何をして欲しいかというと、文系学部に関してのみ言えることですが、まず気になる学部の専門書を読んでみて欲しいということです。もちろん、学術用語を駆使した専門性の高い書物は難しいので、いわゆる入門書や新書の類をお勧めします。大学の学部の授業、講義はほとんどがすでに世に出版、発表された研究に基づいてなされています。極論を言うと、大学の学部レベルの授業、講義の勉強というのは本を読むということだけで出来るわけです。この点だけは、大学に入学する者、大学への入学を志す者はかならず心に刻んでおくべきことです。大学の授業、講義内では参考文献としてある書物を参考にしながら、授業、講義を行われることが多く、実際の学部、学科の内容を体験するには本を読むことが打ってつけです。少しでも気になる分野についてはとにかくあさるように本を読んでみる。そうしているうちにおのずと自分がその先末永く付き合っていけそうな分野が明らかになっていくはずです。もちろん希望を言えば、この読書は非常に時間、労苦を費やすため、高校生になった辺りから進めておくのがよろしいです。

すでに学部学科を決めた新入生の皆さんには上記のことは実行不可能なので、その代わりに入学前にやって欲しいことは、本当にその学部学科でよかったのかを確かめるために上記のような読書をすることです。ただし、注意して欲しいのは、できるかぎり、その学部学科の選択が正しかったということを証明する方向で読書を行うことです。少し本を読み進めてみて、「全然理解できないから、やっぱり自分に合わないんじゃ・・・」と不安がらないで下さい。ある学問の分野のなかでも、近年は他分野との提携や分野を横断した研究などが多く行われており、たとえ、主流といわれるところから離れていても自分が興味をもてる範囲があると思います。その分野を探すために読書をして欲しいのです。無論、その分野は、時が経つにつれて変わったり、もしくは決してたどり着けない地点かもしれません。でもその探求をやめることなく続けることが高校生までのテストのための勉強と違った「生涯学習」の歩みであり、大学の勉強でまさしくその生涯学習ははじまるわけです。大学へ入学してからも、卒業してからも、それで得られた力はきっと有益になるでしょう。

(英文学科:堤 祥平)

11/03/02 銀閣寺

先日、銀閣寺に参拝してまいりました。京都在住ながら、あまり観光したことがなかったので、近くだからいってみようと気軽な気持ちで行きました。2月の半ばですが、そろそろ暖かくなってきた頃で観光客も大勢いました。私もその中に混じって、愛用しているカメラを抱えてまいりました。
結果は、・・やっぱり来て良かった!という感想です。こんな近くに(同志社大学からも近いです)、こんなに感動的なものがあるなんて!という美しさです。見た目は、それほど多くの色が使われてなく、寂しいかな?と思うのですが、じっくり眺めているうちに、日本の奥深い芸術を感じられます。
銀閣寺
私は、高校まではどちらかというと、西洋文化にとても興味を抱いていました。そのため、いつかその地に実際に行ってみたいという気持ちから今の学科を選択したわけです。しかしながら、大学に入学して、課外授業や散歩がてらに、神社やお寺に行くようになり、段々と日本文化にも興味がわくようになりました。実は私、日本史が大の苦手です。専門は西洋史なのですが、どうも日本史にはうまく関心が持てませんでした。
せっかく同じ歴史なのに、なぜこんなにも違う感情を抱くのだろうと少しだけ悩んでいました。それが、実際に美術館や神社仏閣へ行って、茶道や華道、能に少しずつ触れていくうちに、昔苦労しながら学んでいたことが、点から線になっていき、自分の中でつながるようになってきて、段々と面白いかもと感じるようになってきました。机に向かって学ぶよりも、実際に自分で体験することによって初めて意味が分かるようになり、関心がわき、愛着が持てるようになりました。本当の勉強というものは、自分で実際に体験して初めて自分のものになるのだと分かりました。

大学を卒業したら、外国にも行く機会がたくさん増えると思います。そしたら、多くの外国の遺跡や建築を見ることが私の昔からの夢です。しかしながら同時に、大学で新たに発見した日本の文化の魅力についても探究していけたらと思います。学校という場所はなくなりますが、自分の中で勉強というものは続けていきたいです。大学では、自分で授業を選択することになり、自由な時間も多く増えます。そのため、一体自分は何が好きなのか、自分は何に興味を持てるのか、ということが自然と分かってくるようになります。決断するのは自分一人ですが、それがまた楽しいです。私も大学生になって初めて、自分らしく生きられて面白いなと思いました。これから入学してくる高校生の皆さんも、今大学で学生生活を満喫している皆さんも、どうぞ自分らしい大学生活を送って、新しい自分を発見してください。
応援しています。

(文化史学科:後藤 優里)

文学部生、EVEでも大活躍!

こんにちは。早いもので、今年もあと半月となりました。この時期だと、このページを見てくれている人の中には、推薦入試で合格した受験生もいるのではないでしょうか。推薦入試で同志社大学文学部への切符を手に入れたみなさん、おめでとうございます。大学に入ってやりたいことを考えつつ、残りの高校生活を思う存分楽しんでほしいなと思います。
さて、11月26日~28日の3日間、今出川キャンパスでEVE出店期間(※1)というイベントが行われました。このEVE出店期間では、サークルやゼミ(※2)ごとに模擬店を出したり、ステージ発表をしたりします。ゼミごとの出店は、例年、経済学部や商学部のゼミが多いですが、文学部のゼミも、毎年、同志社EVEを盛り上げるのに大きく貢献しています!!私は、26・27日の2日間、お客さんとしてEVEに参加したのですが、今年も、たくさんの文学部生が活躍している姿を見ることができました。
まず、模擬店を出していたゼミについて紹介します。英文学科からは、2つのゼミが出店していました。1つめは、演劇やミュージカルについて勉強しているゼミ。そのゼミでは、毎年、4回生がEVE出店期間中に模擬店を出し、ベビーカステラを売るというのが伝統になっているそうです。ベビーカステラは、味が数種類あり、プレーン味とキャラメル味をいただきました。ふわっとしていて、とても美味しかったです。2つめは、イギリスの女性文学を研究しているゼミ。このゼミは、やきとりを売っていました。塩味がかなり効いていて、とても美味しかったです。3日間のために2100本準備していたそうなのですが、このゼミに所属している友人曰わく、「完売した」ということです!!
ベビーカステラを売っていたお店の立て看板

ベビーカステラを売っていたお店の立て看板

EVE出店期間中の様子

EVE出店期間中の様子。写真の中にあるツリーは、11月中旬から12月25日までの夕方に点灯されます。遠くからこのツリーを見にいらっしゃる方もいるそうです!!

出店期間中、文学部のゼミ生によるお店以外でも、英文学科をはじめ、文学部の友人・先輩・後輩をたくさん見かけました。先ほども述べましたが、出店期間に出される屋台は、ゼミのみならず、サークルが出しているお店もかなり多いです。彼らが所属しているサークルそれぞれのカラーがお店の雰囲気にもはっきりと表れていたし、友人・先輩・後輩のいつもとは違った一面も見られて、とても嬉しく思いました。どのテントに行っても、「(売り子さんである)文学部の学生さんの顔が、ここでも、とても生き生きしているなぁ」と思いました。また、「文学部の学生さんは、勉強にも行事にも熱心に取り組まれる方が多いんだなぁ」と、改めて感じました。
同志社EVEも、今年で135回目を迎えたのですが、たくさんの方のご協力により、今年も無事に終わることができました。同志社EVEは、学内で、一度にたくさんの学生が大活躍できるような素晴らしいイベントです。現役の文学部の学生さんも、これから文学部生になるみなさんも、何らかの形で、一度同志社EVEに関わってみるのはいかがでしょうか。このような素敵な行事が、これからも途切れることなく、ずっと続きますように。

(堀 詩子)
 

※1
同志社の創立記念日は、11月29日です。その前の1ヶ月間(11月1日~28日)を同志社EVE期間と呼んでおり、とりわけ記念日の直前3日間に、いろいろなサークルやゼミが模擬店を出したりステージ発表をしたりする期間を、「EVE出店期間」といいます。
ちなみに、EVEとは、Christmas Eve(クリスマス・イブ)やNew Year's Eve(大晦日)のように、祝祭日の前夜、前日という意味です。本学の創立記念日・11月29日の前日(foundation day’s eve)までの催しということから、この期間(11月1日~28日)には「同志社EVE」という名前が付いています。

※2
「ゼミって何?」って思った方は、【2009年度の記事一覧】から【文学部生Life!】のコーナーへとび、【 「 ゼミ見学レポート」の前に…「ゼミとは」 】というページにとんでください。そこに、「ゼミ」とはどういったところかが書いてあります(現編集長渾身の一作です!!)。

10/11/25 スペイン語との出会い

こんにちは。今日も、Web学生記者編集室を覗いてくれて、ありがとうございます。一般入試まであと3ヶ月ほどになりましたが、もし、勉強に行き詰まってしまったら、是非この編集室を覗いてみて下さい。大学生になった自分の姿を想像(という名の妄想…/笑)してみるのも、良いかもしれませんよ。
さて、この3年半、ほぼ英語漬けの生活を送ってきましたが、もう一つ、3年半勉強し続けてきた外国語があります。それは、「スペイン語」。使用人数は世界で3番目に多く、約20か国で話され、国連の公用語にもなっている言語です。
私は、大学生になって、初めてスペイン語と出会いました。入学してすぐ、自分が学ぶ外国語を決めなければならなかったのですが(※)、「英語以外に、世界で通用する外国語って何かな…」と思ったとき、パッと思い浮かんだのが、スペイン語だったのです。そして、気がついたら、提出書類である第2外国語履修希望調査の「第一希望」の欄に「スペイン語」と書いていました(笑)。かくして、私はスペイン語と出会ったのです。

1回生の間は、文法項目を一通り勉強して基礎固めをし、2回生のときの授業では、読解・作文を中心とした発展学習をやってきました。3・4回生では、時間的に余裕がなかったのでスペイン語の授業は取らなかったのですが、週末にNHKのラジオ講座をまとめて聴き、習ったことを忘れないようにしていました。このように、スペイン語の勉強を細く長く続け、今に至っています。
最近、英語に限らず、外国語の検定試験を受ける人がたくさんいらっしゃいますが、スペイン語も、例外ではありません。10月24日にスペイン語検定があったのですが、今回私は3級を受けてきました。試験要項によると、3級の検定基準は、

“3級(上級):新聞などを理解、一般ガイドに不自由しない。”

となっており、英検でいうと準1級レベル相当だそうです。試験問題の内容は、スペイン語での作文が5問と日本語和訳が4問でした。問題を見たとき、「これ、できる気がしないぞー…」と弱気になっていましたが、知っている限りの単語と文法の知識をフル活用させた結果、9問中なんとか7問はトライできました。今回、3級ではどのような問題が出るかなんとなく掴めたので、これからはリスニング・単語力強化・文法事項の復習・西作文・和訳、どの項目も疎かにしないようにしていきたいです。

大学生活を通じて、外国語というのは、コミュニケーションの道具であり、異文化を知るための道具なのだなと思いました。「卒業単位に必要だから」という義務感を持って外国語の授業を受けるよりも、「好きな芸能人が○○の国の人だから、あの言葉を習ってみたい!!」という気持ちで学んだほうが、きっと授業に対するモチベーションも上がると思います。私は、大学を卒業してからも、スペイン語の勉強を続けていきたいですし、願わくば、日本語・英語・スペイン語のトリリンガルになって(笑)、スペイン語でも日本のことや自分のことを説明できるような力をつけたいと思っています。
私が、1・2回生のときに使っていた教科書

私が、1・2回生のときに使っていた教科書

授業ノート。書き込みがたくさんあるのは、一生懸命取り組んだ証です。

授業ノート。書き込みがたくさんあるのは、一生懸命取り組んだ証です。

動詞の活用を覚えたときのノート

動詞の活用を覚えたときのノート。英語と違って、スペイン語は主語とその数・時制などによって動詞の活用が全然違うので、覚えるのにかなり苦労しました。 

今は、NHKの語学講座を活用しています。 スペイン語のみならず、いろんな言語の習得にチャレンジしていたいです!!

今は、NHKの語学講座を活用しています。スペイン語のみならず、いろんな言語の習得にチャレンジしていたいです!!

(堀 詩子)


同志社大学の学生は、創立者・新島襄が掲げた、同志社における教育理念の一つ「国際主義」に基づいて、外国語の授業を必ず受けることになっています。
本学で学べる英語以外の外国語は、ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語・ロシア語・ハングル(韓国語)で、基本的にはこの中から一つ選んで勉強します(学科によっては、学べる外国語が限られてしまうこともあります)。学生や受験生の中には、「ただでさえ英語が好きじゃないのに、なんでもう一ヶ国語勉強せなあかんの?」と思う方もいるでしょう。でも、どの学科で勉強するにしろ、外国語は授業や研究のときに必要ですし、自分の専門分野を深く勉強するには、欠かせないアイテムなのです。

10/10/20 ラスト半年の誓い

Web学生記者日誌を読んで下さっているみなさま、はじめまして。2010年度文学部Web学生記者の堀詩子(ほりうたこ)と申します。

現在、英文学科4回生で、英語で書かれた劇について勉強しています。特に、劇の脚本が書かれた背景、中でも劇作家の思想や書かれた時代に注目して読んでおり、劇が作り出す世界にどっぷり浸っています。また、最上回生ということで、卒業まであと半年を切りました。今までに、英文学科の授業を通してどういったことを吸収し、考えさせられたのか。それについては、また追々(次回以降に)書きますね。今年度1年間、縁あって学生記者をさせていただいていますが、文学部生の日常を通じて、少しでも「同志社大学文学部」に興味を持って下さるような日誌をお届けしたいと思っています。

さて、同志社大学では、9月最終週より秋学期(=他大学でいえば「後期」にあたる学期)が始まりました。
キャンパスは、たくさんの学生で活気づいています。日本人のみならず、海外からの留学生も多く、キャンパス内にはさまざまな国・地域の言葉が飛び交っています。
しかし、この秋学期は、私にとって学生生活最後の学期となってしまいました。まだ見ぬ大学生活にワクワクしていたときから、もう3年半経ったなんて、未だ信じられません。「社会人になるまで、思う存分遊び倒したい!」という気持ちもありますが、「好きなことをとことん勉強できるのは、今しかない!」という思いのほうが強く、ゼミ(少人数制で、各自の専門分野を極めていく授業)の他に、図書館司書資格を取得するために必要な授業、宗教・言語・ハリウッド映画からアメリカを知る授業、英語教育に関する授業など、合計8つの授業を受講しています。今は授業が始まったばかりなので、まだ核心の部分には触れられていない授業もありますが、授業で学んだ内容について考えさせられる時間が必ず来るので、そのときに、授業を通じて得たことや考えたことを、先生や他の学生さんに的確に表現できるようにしていきたいです。

今、私は、卒業論文執筆と他の授業・課外活動を両立させようと奮闘中です。残された時間が少なくなってきたからこそ、大学で過ごす時間をもっと充実させていこうと思っていますし、Web学生記者やキャンパスツアーガイドといった、今私が取り組んでいる活動も、最後の最後までずっと続けていきたいです。卒業するときは「何もかもやりきった!」という達成感をもって、旅立っていく。それが、私の目指す大学生活のゴールポイントです。自分が立てた目標が現実となるように、これからやってくる時間を大切に過ごしていきたいなと思います。

朝晩、寒くなってきましたね。いよいよ、受験も追い込みの時期となります。風邪など、体調には気をつけて下さいね。

(堀 詩子)

10/07/20 大学生四ヶ月目

入学して早くも三ヶ月。
五月にWeb学生記者になったものの、なんと今回が日誌を書くのが初めてです。
何を書こうかと考えていたらどんどん先延ばしにしてしまい、
やっと書く決心が出来た次第です。

はじめまして。英文学科一回生の堤祥平です。
京田辺キャンパスへは大阪の実家から通っています。
サークルは100人近くいる混声合唱団に入りました。
先月末に京都大学の合唱団とジョイントコンサートをして現在はしばらく活動休止状態です。
来週にはTOEFL、そして今月末には始めてのテストがあります。

この三ヶ月は本当にあっという間でした。まず、入学後に待っていたのは履修登録でした。ほとんど一から考えないといけないのですが、この時期はオリエンテーション期間で、学校側の相談所の他、色々なサークルや学生団体が宣伝を兼ねて履修相談にのってくれるのでどうにか乗り切ることができます。
また、英文学科ではこの時期、学科生全体やグループごとに集まる説明会やイベントがあったので、友達を作る機会を持てました。

こんな感じで、長々と三ヶ月間の出来事を書き連ねることが出来ますが、
この辺りでやめておいて、敢えて言いたいことを言うと、決してこの三ヶ月間、毎日、時の経過があっという間に感じられるほど何かに夢中になっていたわけではありません。もちろん、退屈で一日が長く感じられることもありました。

ではどうして私たちは過去を振り返るとき、しばしば時の経過を過小評価して(短く感じて)しまうのでしょうか。
私たちは過去を振り返るとき、決して過去そのものにたちかえるわけではない。
記憶を頼りに、「今」「現在」において、過去というものを再現前、再創造している。
私たちが過去に浸るとき、体験した過去そのものではなく、今思う過去、今作る過去を経験しているにすぎない。私たちは「今」を生きるのである。

そう考えると、受験勉強時によく耳にする、「受験勉強なんてあっという間だった」とか、「1年間がんばれば報われる」などという言葉(アドバイス?)は、なんと無責任なものに思えてくるでしょう。過去を思うとき、短く感じられるのは当たり前です。もし、過去を全て忘却せず記憶していて、全て思い出していたら生きられないでしょう。それなのにこの事実を無視して、先回りしたところからあれこれと、「未来から思うと君の今の現在は短いから、現在大変でしんどいことをしなさい」という言葉のパラフレーズがまかり通っている現状はどうだろうか。

私はもうそんな言葉は聞き疲れた。ずるいと思いませんか?私たちは「今」を必死に生きているのに、それを否定するような生き方を勧められる、そんな状況。受験勉強は本当にしんどかったです。先の見えない不安なら(当たり前ですので)まだしも、「その先が見える」と急き立てられる恐怖感。できれば避けたかった道です。受験勉強は。
ただ、私がどうして受験勉強を続けたのかというと、とにもかくにも大学院に行きたいという「今」の強い思いからでした。大学院に行くには学士号をもっていなければならない。見ての通り、私の受験勉強を続けられた理由はこんな消極的なものです。

だからこんな私は、決してここを見ている受験生には、「受験勉強をがんばれ」という応援はしません。むしろ、「何をがんばるか、何を糧に現在を生きるのか、これらのことを常に探求し、追い求めること、それをがんばってほしい」、こんな言葉しか言えません。
今の自分は少々シラケすぎたところに原因があるのですが、現代思想家の浅田彰(あさだあきら)氏の言葉、「シラケつつノリ、ノリつつシラケること」(註)を捧げたいと思います。これは現代を上手く生きるための戦略です。もし私みたいになりたくないのなら、「ノリ」の比重を増やしてください(笑)

(註)
浅田彰『構造と力−記号論を超えて』勁草書房、1983年、p.6。
学術書でありながら、ベストセラーになり、また新語流行語大賞に選ばれた「スキゾ・パラノ」という言葉を広めた本です。知的刺激を受けるでしょう。是非とも読んでみてください。ちなみに出版社の読み方は「勁草=けいそう」書房です。

堤 祥平
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